Debutトキヤ√感想です!!
いや~~~~~~~~苦しかったけどすっごいラブロマンスだった....。
ラブなロマンスを私はトキヤ√に感じるタイプの人間なんですけど、もう今回すごいラブで........。ちょっとこれまで他の人をやってきた感じ、Debutはラブじゃないのか?ラブよりもライフ(人生)なのか?と思ってたのに超~ラブだった....!
ということで、トキヤ√感想というかトキ春感想という味が強いですが、そちらご了承の上おすすみください...!
あと、冒頭は例によって(?)寿嶺二さんどうなってんの...?タイムです。
ということで簡単な目次はこんな感じ。
・寿さん、何があった?
・待ってました!ラブロマンス!
・「七海春歌のDebut」
・そして、シンデレラにかかった魔法は永遠になる
後半怒涛のトキ春です。
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トキヤ√、苦しい。
何が苦しいって、過去との決別ではなく現在進行形の、しかも業界特有の苦しみ(チクチク言葉?)を味わうことと、もう一人なんか寿嶺二さんも苦しそうなので、二重、三重に苦しいという独特の展開...。
マジでトキヤ√、修羅スチルが何枚かあったよね...?涙ボロボロの...。修羅スチルってなんやねん。スチルといえば胸キュンじゃないのかい!っていうのは置いておいて...。
ダブル苦みの一因となった寿さんの話してもいいですか?
トキヤ√の感想なのですが、ちょっとこの衝撃をどうしていいかよくわからないので冒頭は寿さんの話をします。
・寿さん、何があった?
All Starへの楽しみはとっておくべく、きっちりではないけどもなんとなーく先輩たちの核心に触れそうだな...というものは一応避けてきた。なので、「博士」と呼ばれる存在も美風藍さんに確実に関わることは知ってるものの、情報源はギャグ系二次創作あたりなので、まぁAS藍√の楽しみに....くらいに思ってたんですよ!!
寿さんが電話して出てきた!!!????
博士、Debutトキヤ√に出てきた???しかも寿さんと電話一本の仲......。
ということで、Debutトキヤ√をやると、寿さんは藍さんと縁が深そうな「博士」と顔見知りだしお互いなんか事情を知ってそう。その寿さんには「親友」がいて、その人は「行方不明」であるっぽい。なんか映画に関係してる。そして、その「親友」は寿さんが語るに一人称が「ボク」である。私のお題箱には、藍さんと寿さんの二人を「心友」と呼ぶという情報が入っておりまして.......。
野暮なので、これ以上は考えたくないのですが、手元のカードから推測するに、いわゆる地獄がうっすら透けて見え始めて、辛くなってしまった.......。
まぁ全部私の勘違いかもしれないし勝手に手元の点を無理やり線でつないでるだけかもしれないから。私の勝手な思い込み!!ハッピーハッピー!ハッピッピ!!
で、寿さんに何があったのかは結局はハッキリはわからないけど、私的にたまらなかった寿嶺二さんはこちら。
「人ってね、案外もろいんだよ。」
アーーーーーーーッ............25歳......................................。
確か25歳だよね?
日向先生にしろ、私が10代のときにプレイしてたら、「話を盛り上げるために人を死なせたり、行方不明にしすぎw」って思ってたと思うんですが、あの、案外、人って死にますよね。
20代半ばくらいになると、持病がなくて特に何も寿命について考えたことがなかった人も、10代のときの、仲いい人みんなで30歳になって、40歳になって、50歳になって、どんどん年取ってって無邪気に信じていられる無敵感が現実に裏切られていく(実際友情エンドのタイムカプセルを埋める3人は、未来が続いて行くことを疑っていない)。ドラマの主人公じゃなくても、意外と人は病気や事故や、あるいは自分自身で、亡くなっていく。
自分自身の大切な人はもちろん、うまいこといって偶然自分の恋人や親友は亡くならなくても、友達の恋人や友達の友達なんかが、ある日、フッといなくなる。そういう経験をしてしまうもの。
「あー、人って案外もろいんだな...」という経験が、どこかで蓄積された人の話し方を寿さんはされていた。それが、たまらなくって。ガン泣きだった...。
”みんなで30歳になる"が、当たり前に思えてた10代と、意外とそれって難しいな~の20代半ばが、トキヤと寿さんの間にはハッキリあって。
寿さんはトキヤがそうやってぽきっと折れてしまわないかをすごく気遣いながら育てていて...。
だからすっごいトキヤのことも大切にしようとしてるし、相変わらずの面倒見の良さが本当にすごい人なのに、トキヤには最初、伝わらないんだよね~~~泣
いや、トキヤも聡明な人だからなんとなくわかってるのかもしれないけど、寿さんは「嘘を武器にするアイドル」だよね、多分。
なんらかの哀しみが背後にありながら、どこまでだっておどけて見せる。
一方で、「一ノ瀬トキヤ」は嘘を武器にだけは絶対にしないアイドル。なぜなら「HAYATO」という嘘の塊を脱ぎ捨てて、あえてわざわざ「一ノ瀬トキヤ」という名前を選び、再び歌うことにこだわった男だから。
一ノ瀬トキヤのアイドルとしての輝きは、どこまでも「本当」なところにある...というか「そうであるべき」。じゃなきゃ、HAYATOを辞めた意味がない。
だからHAYATO辞めた直後のトキヤにとっては最悪の組み合わせ。
HAYATOもだけど、寿さんもテレビ的振る舞いが骨肉になっていて、プライベートだろうがなんだろうが隙あればおどけている。
そういう寿さんが、トキヤだからこそ余計にキツいんだろうな...。
トキヤ√の感想記事だからこのあたりにしておきますけど、いやぁ...寿さん、マジであのツンツントキヤを適度な距離感でサポートし、時に音也を突撃させ、ある時は春歌ちゃんを制止し、自分が悪者になることも厭わずに後輩のために奔走したうえで自分の仕事もきっちりやってる.........。マスターコース手当ちゃんと出してる???頼むよ、シャイニング事務所!!!寿さんにマスターコース手当出してね!!
寿さんのこと深入りして考えるとトキヤ√の感想じゃなくなっちゃいそうなので、とりあえず保留!それにしてもDebutは7人それぞれの集大成であると同時に、次回作へのプロローグというか、先輩√やりたい!と思わせる仕掛けに満ちているな...。
ということで、Debutトキヤ√......
トキヤ√、超~~~~~ラブロマンスだった!!!!
ラブで!!ロマンス!!!!!そしてドリーム!!!!
今の所音也√、真斗√とやってきてどちらも「乙女ゲーム(=恋愛シュミレーションゲーム)」としてはある種の「裏切り」だと感じるくらい、音也くんと真斗くんはそれぞれ自分でブレイクスルーして、恋愛だけじゃない生き方を見出していく。春歌ちゃんはずっとどこか無力感を感じて見守っていて、音也は音也の戦いがあり、真斗くんは真斗くんで「運命に甘えない」と言って恋愛にベッタベッタの人生と切り分けていく。
ところが、トキヤ√はゴリゴリに恋愛をやる。恋愛から絶対に離れない。それでいて、アイドルであることからも離れない。それをトキヤ自身がぶれない。
はぁ....待ってました!ラブロマンス!!恋と愛と歌の力で夢を切り開いてこそのうたプリワールド!!!!
一番弱って困っているときに、愛する人が傍にいて、道が拓けていく。これこそ、ゴリゴリのロマンスだと私は思っている訳です。だからもうね......トキヤ√、ラブロマンスだった~~~!!
トキヤは、自分自身を、そしてパートナーである春歌ちゃんを認めさせるために今まで以上にキリキリと頑張る。それで周りが見えなくなり、ミスをしては「自分の責任です」と負いこんで1人になろうとする。
それを、音也くんだったり、寿さんだったり、同期だったりが、「1人にならないで」と構い倒すシナリオ。
だからこそ、Debutトキヤの課題は、人を信じることとか頼ること。
元々芸能界で仕事をしていて、自分にも他人にも厳しい人だからこそ、恋人にすら依存しないで「自立」するというシナリオではなく、誰かに「頼る」「信頼する」「自分の弱さを認める」ことがデビューへの鍵になる。
(先輩エンドと友情エンドでは明確にトキヤが「共演者と仲良くできるようになる」「現場に馴染む」ということが書いてあって...そこだけ見るとなんかコミュ障克服ストーリーみたいだけども......。トキヤがそういう課題を乗り越えたことが明確。キャストコメントで宮野さんがツッコんでいたくらいで、笑)
それにしても、ほんと~に苦しかった。トキヤにはトキヤの事情があるとはいえ、周りの人間を信用できずにひたすら戦い続けるのはしんどい。なんていうか、トキヤ√で起こることってささやかな悪意や、ありそうな誤解、実力とは違う原理だから苦しいんだよね。音也√でくじ引きして謹慎してる「それは現実には無さそうだけど何かのメタファーね」ってのとノリが違う。
やっかまれて悪口言われるとか、オーディションに出る人は事務所から1人にしろって言われるとか、その原因が誰かの口利きなのかスポンサーの意向なのかよくわからないとか。チクチクしたものが、ずっと残るタイプの苦しさ。
さらに、自分のやり方が通用しない出来事が続く。
「一ノ瀬トキヤ」の「完璧さ」を保とうとするばかりに視野が狭くなってどんどんミスを重ねるし(マジで社長の旅行なんか裏があるに決まってるのにオーディションで頭がいっぱいで全然カメラを回さないなんてそんな初歩的なミスある?ってくらいトキヤの視野は狭くなってしまう)それだけトキヤが痛々しいほど追い詰められてる。
やっと切り抜けた!と思ったら寿さんに「ブラザーエンブレムは受け取れません」とか言い出すし.....苦笑(さすがにプレイしながら大声で「なんでだよ!!!」って言った笑)
音也は音也で一生懸命にトキヤに「俺のこと頼ってよ!」ってメッセージを伝えて馬鹿でかい感情がノンストップなんだけど、トキヤはそれをまっすぐに受け取れる状態じゃない。
トキヤ√8月の音也のデビュー曲の収録を見学に行ってくやしさで涙を流すスチル、いまだかつてこんなに苦しいスチルがありましたか???修羅すぎ。
スチルって胸がキュンってなったりほっこりしたりするやつじゃないの????
人生の修羅場の切り取りやないか!!!!!
「黙りなさい。仲間など今の私には必要ない。」
「友達以前に、あなたと私はライバルなのだと何度言ったら...。今の私には友情ごっこに興じる余裕はない。」
きっつ。音也の輝きがトキヤにとってキツすぎるターン........。
何より、この二人を見てる寿さんがトキヤは音也に相談できないことに気づいてるのが、おそらく寿さんの経験に照らしてもしんどいんじゃないか。危なっかしいというか...。
寿さんのこともやっぱり寿さんのことを信用できないんじゃ...ってなったり、逆に疑った自分を許せなかったり、あるいは音也のことだって、人を信じるか信じないか、頼るか頼れないかという負のループにハマる話のなかで、トキヤが負のループを脱出するところに絶対、春歌ちゃんがいる。
あんなに寿さんがしんみりと話しても、音也が叫ぶように説得してもトキヤの中ですん...と落ちて来なかったものが、春歌ちゃんと夕暮れに手を繋いで歩いたら、穏やかな時間を過ごしたら、緊張の糸がほぐれて理解できるようになる。
これだよ!!!!これがラブロマンス!!!!!
トキヤ√では、春歌ちゃんはヒロインの面目躍如で、きっちりトキヤを癒し、きっちり仕事をして成果を出し、トキヤのパートナーにふさわしい...それ以上ない活躍をこの「Debut」(=ヒロイン差し置いて自力で成長しがち...?)でして見せる!!
「願いを叶えるためなら手段を選ばない。そんな一ノ瀬さんが私は大好きです。」
「一番大切なのは一緒にデビューすることだから。その他は二の次でいいです」
トキヤをびっくりさせるほど、強い姿を見せる春歌ちゃん。(この台詞のグッズ欲しい...。)
「守られていたのは私の方かも」とこぼすほどに、トキヤ√の春歌ちゃんはこの時期のトキヤの心の支え。
この春歌ちゃんの言葉で、寿さんを信用するかしないか、そもそも信じられなかった自分が許せない問題は一回保留したうえで、進むことにする。
マジでDebutのトキヤ、本当にギリギリで信じられないくらいに視野が狭くて、必死に「一ノ瀬トキヤ」を保とうとしているのが見てて痛々しい場面が、特に対嶺二さんで多いので苦しいのだけど、春歌ちゃんの前では緊張がほどける。甘く、優しく、温かい。
そして、その時間がMy Little Little Girlに詰まっている。
その後、寿さんから例の「人ってね案外もろいんだよ」と人生の先輩から有難いお言葉をいただくのにトキヤは「私は折れたりしない!」と強がる。ただ、すべての事の顛末(嶺二がトキヤのために奔走していた)を知り、やっぱりどこか思うところがあったはず。さらにデビュー曲づくりも行き詰まる。
そんなタイミングで春歌ちゃんと影踏みしたりけんけんぱしたり!!!
うう~~~トキ春~~~泣 かわいいよ~~~!!
で、やっと肩の力が抜けたかと思うと、今度は音也のデビュー曲の収録を見に行ってあまりのキラキラっぷりに衝撃を受けて思わず涙も出てしまうし、またまた肩の力入りまくりの一ノ瀬さん。
そしてやって来ました8月6日の誕生日!!!!!
「わたしも一緒にもらってください。」
くぅ~~~~~~~~~~~~~!!!!!
いぇ~~~~~~~~~~い!!!!!!!!(ドンドンパフー!)
「新手のプロポーズ」いただきました。
いや~~~トキ春は公式でバースデーイベントがゲームシナリオ上とっても重要な場面に配置されてるの、マジでたまらないです。どこにお中元を出せばいいですか?
トキ春好きの私のテンションが上がるのは置いておくとしても、トキヤも本当にうれしそうだし、これをきっかけにしてMy Little Little Girlが提出できる状態になる。
こうやってトキヤが追い詰められるたびに春歌ちゃんが救ってきたからこそ、映画のオーディションに受かった!と聞いた瞬間に一瞬の空白の後に流れ出すMLLGが最高オブ最高...。ほんとこんなにシンプルな作りのノベルゲーなのに、BGMのタイミング一つでこんなに人を感動させられるんだな...。
さらにダメ押しのように、映画の撮影が始まり、上手くできなくて焦っているトキヤに春歌ちゃんは語り掛ける。
「でも一ノ瀬さんは自分の弱さに気づくことができたじゃないですか。」
「自分の弱さを認められた人はちゃんと強くなれるんです。」
ナイス春歌ちゃん!!!!
はぁ~~~!!「恋愛アドベンチャーゲーム」の名にふさわしいラブとロマンスが詰まってる。
でも、トキヤが春歌ちゃんに頼りっぱなしという話じゃない。
トキヤはずっとずっと芸能界で1人で戦ってきて、他人ではなく自分だけを信じ、自分の力だけを頼りに生き抜いてきた。その人間が、他人である春歌ちゃんに心から揺り動かされ、力を抜き、ぽきっと折れないようなしなやかな強さのきっかけを得る。
そして寿さんや音也、みんなとエンターテインメントを作っていけるような存在へとパワーアップする。
ただ春歌ちゃんを頼るのではなく、最初に夢をくれたのは紛れもなくトキヤ。
トキヤの支えとなる春歌ちゃんを生み出したのは、紛れもなく過去の自分の仕事「アイドル」の力。
これを突き詰めると、やっぱり「アイドルオタクの私が、好きなアイドルの作曲家になって恋しちゃった~~!!??」というよくある夢小説かよ、みたいなスタート地点からトキヤと春歌ちゃんが始まっているという「ファンとアイドル」の恋愛だってところがDebutにしてこんなに効いてくるとは.....!!??っていう感動がすごい。
「ファンとアイドル」の恋愛という側面が少なからずスタート地点においてはあった二人が、だからこそ春歌ちゃんがずっと「一ノ瀬さんの背中を追いかける」必要があった二人が、「公私ともにパートナー」として二人で歩くためのDebut。
そう考えると、トキヤ√で最後に降りかかる困難は、まさに「七海春歌のDebut」の物語と言える。
・七海春歌の、Debut.
この話、春歌ちゃんの「デビュー」の話だとも思った。
というか春歌ちゃん大活躍で、トキヤと春歌の物語だからこそ、トキヤのDebutは「七海春歌のDebut」なんだ!!と。
ずっとどこかであるだろうな~と思っていた「アイドルとのツーショット流出」が満を持してトキヤ√9月で発生する。
もっとも春歌ちゃんはギリギリ現場での「説明のつく」範囲での行動だったし、関係者しかいない場所だったので、決定的なミスを犯したわけではない。トキヤだって現場での付き合いは悪いかもしれないけど、真面目に仕事をしているので完全に逆恨みや嫌がらせの類だ。でも、”そういう所”からまるで真実かのように写真は出てくる。
そういう微妙~なところがまたトキヤ√全体を流れる性善説への軽蔑を裏付けるようで、本当にいや~なシナリオなんだけど、苦笑
それを受けて当然にトキ春は窮地に追い込まれる。
トキヤがボロボロ泣くスチルが衝撃的で、というか音也にも泣かされてたし、本当にトキヤ心配だよ.....状態。
春歌ちゃんも、この事態の深刻さがわかるから(だってアイドルオタクだし)覚悟を決める。
この状況で彼の隣に立つことはできない。
ここの春歌ちゃんの選択は、すごくビジネスライク...ビジネス魂(たましい)に溢れている。「私が事務所にいては打てる手も限られてくる」という言い回しも含めて、「一ノ瀬トキヤ」という商品を傷つけずにいかにこの場を治めるかに優先順位を置いている。だから「彼の隣」に立つことはできない。自分が作曲家として「プロ」であることを自覚しているから、トキヤの「隣」に立つ存在だと自負しているからこそ、この判断が出てくる。
なのに、まるで学園に入り立ての「ファン」のようなことを自分自身にいいきかせる。
わたしは十分夢を叶えたから後は彼に託したい。
わたしの夢は、大好きなアイドルに曲を提供すること。
はっきり言って、「アイドルと仕事がしたい」なんて、どこにでもある話だ。
中学の先輩がこぼした将来の夢、アイドルのラジオ番組に送られたメール、大学の後輩の就活相談...色んなレベルで、みんなが言っていた。直接にテレビ業界を目指す人、広報関係、服飾関係...やり方は人それぞれだったし、中学の時に言っていた人が本当にそこに行ったかはよくわからない。言うだけは簡単だし。
「アイドルをきっかけに仕事をしたい」もいた。アイドルが演じた医者、法律家etc.、職業への憧れをくれたのはアイドルで、その意味で「アイドルがくれた夢」を目指す人もたくさんいる。雑談や飲み会の中での進路相談、就職相談でオタクたちはそれぞれ自分の人生を語ってたね。
春歌ちゃんだって、早乙女学園に入る前は、そんな星の数ほどいる「憧れるオタクたち」の1人だった。
そこから春歌ちゃんは行動したし努力したし運も掴んだ。
相手は、「HAYATO」だった一ノ瀬トキヤだった。
その後は、いろいろあって、Debut9月の冒頭では「前を歩いているのなら手を繋いで隣へ導きましょう」と言われる。
「あぁ、そうか...。君が懸命に私を追いかけてきてくれたから。だから気づかなかったんですね。」
「私は君がいるから輝けるんですよ。」
もちろんリピだってAASSだってそうだったけど、この二人で夕暮れの道を歩くほっこり描写は、トキヤが心の安寧を得ているのはもちろん、「七海春歌のDebut」という意味では、もうトキヤと春ちゃんは追いかけたり追いかけられたりする関係じゃなく、共にプロとして立っている、ということの比喩なんだろうと。
だからもう春歌ちゃんは、「ファン」じゃない。「アイドルとの仕事」を夢見ていろんな場所でいろんな風にアレコレ言っている星の数ほどいるオタクたちのone of themではない。
もう、一度トキヤに歌ってもらったくらいじゃ満足できない。どんどん作りたい。ただのファンじゃいられないことなんて自分自身でもわかっているはずなのに、「わたしの夢は叶いました」と言って去る。
それに対するトキヤの泣きっぷりと慌てっぷりと必死さとくやしさで、もうこの人どれだけ春歌のこと好きなんだろうって...........号泣
「君の歌じゃなきゃダメなんです。私は君の歌を歌いたいんです。」
こんな熱烈な思いを受け取っているのに、「一ノ瀬さんなら他の人の曲も...」って言うどこまでもリアリストな春歌ちゃん。トキヤほどの実力者なら「誰の曲でも歌えてこそプロ」と言うでしょうから、この状況はあまりにも......トキヤの理性とプロ根性を全部狂わせるほどの春歌ちゃんへの愛。トキヤまじで春歌ちゃんのこと大好きなんだね....泣
でも、やっぱりただのパンピーのラブロマンスじゃない。「アイドル」のラブロマンス。
「何もなかったわたしに作曲家になりたいという夢を与えてくれたのは一ノ瀬さんです。」
お互いにお互いを思い合うだけじゃない。お互いがお互いの夢である。それがトキヤと春歌ちゃん。
私も一応アイドルのオタクは長いので、この「アイドルが夢をくれる」で結びついているところですんごい泣いちゃう。
「アイドルと仕事がしたい」なんてどこにでもある話って言ったけど、でもどこにでもあるからどうでもいいって訳じゃない。むしろ、それだけの人に夢を与えることができるからこそアイドルは素晴らしく、そしてそのアイドルになりたい、アイドルの力になりたいと考える人が多いということ。
アイドルには夢のパワーが詰まっている。その「アイドル」とのラブロマンスだからこそ生まれる煌めきと苦しみがここに詰まっている。
―――そして、”夢は醒める”。
春歌ちゃんは事務所を去り、実家へと帰る。
あの、リピの選択画面を思い出させる春歌ちゃんの実家背景。
SS翔√でドッキドキ実家訪問のときはウキウキしたものだけど、Debutトキヤ√でやってきた実家はこんなにも苦しい。
この実家で、テレビの前で春歌ちゃんはおはやっほーニュースを正座で見てた。
このテレビを挟んで、夢は始まった。
早乙女学園に入り、一ノ瀬トキヤの曲を作り、そして、また実家に戻ってきた。
テレビを見る。
テレビの向こう。アイドルたちが微笑んでいる。
まるで、すべての魔法が解けてしまったみたいな物悲しい描写だと思った。
春歌ちゃんは夢を見て、夢は醒め、「ファン」に戻ってしまうのか...。
いや、そうは一ノ瀬トキヤが許さない。
My Little Little Girlの成功後、時間を置いて迎えに来るトキヤ。
私はもうファンだから...と渋る春歌ちゃん。
「いいえ、君は私のパートナーです。公私ともにかけがえのないパートナーなんです。」
・そして、シンデレラにかかった魔法は永遠になる
ずっと、トキヤがなぜ王子様キャラなのか?がよくわからなかった。
いや、めちゃくちゃ顔がかっこいいし、どんなキザな台詞も自分のものにできるし、その意味で彼は間違いなく「王子様」が似合うのだけど、そうじゃなくてこのゲームシナリオの中でどうにか「王子様」を位置づけられないだろうか?というのが私の悩みの種だった。
もう一つの一ノ瀬トキヤの謎は、「トキ=時」を冠した存在であるにも関わらず、そしてうたプリというコンテンツがこれだけ「時間」に執着しているにもかかわらず、その象徴のような名前をもらい、そのうえ、リピ、SSと「時計」が象徴的な場面を彩っているのに、彼自身の「時間」観が見えてこなかった。
この二つの問いに、私なりに結論をつけるのなら、それがトキヤと春歌ちゃんのラブロマンスの形そのものである、ということ。
数あるオタクの中から、HAYATO......もとい一ノ瀬トキヤの「パートナー」の地位を努力と運でもぎ取った春歌ちゃんの人生は、文字通り「シンデレラストーリー」だろう。
もっともシンデレラの魔法は、解けてしまいそうになる。
一度はリピのクリスマス。12時を過ぎたら、魔法は解ける。
そして、二度目がこのDebutだった。
春歌ちゃんは、「芸能界」という特殊な場所からMy Little Little Girlというガラスの靴をもしのぐ美しい曲を置いていなくなる。その曲には、作詞作曲の名前がなく、関係者は王子様の心を射止めたその曲の主を求めて探そうとする。
「芸能界」から出て行った春歌ちゃんは、テレビの前で微笑むアイドルを観る。「ふつう」の暮らしに戻っていく。
そして、王子様は、あの時計台の前に来てくださいと連絡をする。
「お探し物ですか?」とあの桜の木の下で再会するの、あまりに感動的すぎる。リピの思い出が回収されるのにめちゃ弱い....。
「全てはここから始まった。そんな場所で再会できるなんて...運命的ですね。」
そして二人は時計台の下へ。
SSでの情報によれば、あの時計台の時計は、壊れたまま時を止めている。
これが、春歌ちゃんにかかった魔法を、永遠にする合図。
「......夢のその先を見たくはありませんか?」
春歌ちゃんが夢を叶えようと、早乙女学園とシャイニング事務所で積み重ねてきた努力は、一ノ瀬トキヤと重ねてきた日々は「夢のよう」だったかもしれない。でも、夢じゃない。ちゃんと認められるようなものだった。そう簡単に「醒め」たりしない。
そう、魔法じゃない。
春歌ちゃん自身の努力と才能、そしてそれを知らしめる一ノ瀬トキヤの努力のその先で、春歌ちゃんは永遠に「プリンセス」になる。一ノ瀬トキヤが、春歌ちゃんを「プリンセス」にし続ける。絶対に離さない。
「私は君に夢を教えられたんです。」
もうアイドルとファンの恋愛として10000000000000000000点なんよ...........。
夢をもらい、夢を見せてもらう「ファン」だった春歌ちゃんが、そのエネルギーで曲を生み出し、恋をして、一ノ瀬トキヤさんの心の安寧の場所になり、そして何より夢を与えるはずの「アイドル」に「夢を教える」。
トキヤにとって本当に本当にかけがえのない存在になる。「今度は私の夢を叶えてください」と。
「君にしかできないことです。この偉業を成し遂げるのに、君の愛は不可欠ですから。」
「ファン」ならば、「歌ってもらえた」だけでもう夢は叶って、そして夢は終わり、またテレビのこちらと向こうに引き裂かれる。
でも、もう「ファン」じゃない。トキヤにとって必要不可欠な「パートナー」で、お互いの場所はテレビの向こうとこちらではなく、「隣」。
だからこそ、永遠になる。時計は止まり、王子様とお姫様は、魔法が解けたあとも、探し出して一緒になって、永遠に幸せに暮らす。
その意味でトキヤは「王子様」だし、「トキ」ヤなのだろう。
例えばセシルなら、「王子様」は一時的な地位で、その先には「王」が待ち受けている。
でもトキヤの「王子様」は、終わることのない永遠の恋の象徴。
互いが互いの夢となり、奇妙奇天烈、魑魅魍魎の跋扈する「芸能界」というお城の中で、キラキラとワルツを踊り続ける。そんな王子様とお姫様。
ずっと追いかけてきた背中はもう見えない。
今度は二人肩を並べて寄り添って。
夢のその先を見に行こう。
「アイドル」と「ファン」じゃない。「プロ」と「プロ」になる。その意味で、トキヤ√は「七海春歌のDebut」の物語でもあり、二人の終わらない恋の始まりの物語と思う。
「七海春歌のDebut」という観点でいうと、主に恋愛エンドで話を進めてきたけど、友情エンドの以下のシーンは、アニメ軸トキヤの切実すぎる「歌いたいんです...」を思い出させる、春歌ちゃんの心の叫び。
シャイニング「お前は、曲を作りたいか?」
春歌「曲が......作りたいです。」
そして、前はただ曲が作れれば楽しかったけれど、今は違うと話す。
「みんなに聴いて欲しい。何より、一ノ瀬さんに歌って欲しいんです。」
まさに、「プロ」で、もう「ファン」じゃない。ああ、トキヤ√はちゃんと「春歌のデビュー」も描いてるんだと確信したやりとりでした。
春歌ちゃんにとってみれば「肩を並べる」景色であるあの夕暮れは、同時に、トキヤにとっては、追い詰められて追い詰められて「この道しかない」という状況から脱して、「この道を二人で歩く」と少し肩の力を抜くことを覚えた大切な景色。
そうやって自分1人の「完璧」にこだわらないことで、もっと遠くへ行けると気づくことができた景色。
二人が二人で、お互いのピンチには駆けつけて、大切な言葉をかける。
自分の「夢」を確かめて、「夢の先」を描く。
Debutトキヤ√は、どこまでも「二人」の物語で、「アイドルとファンの恋物語」を越えていく、本当にすっごいラブロマンスだった......。
夢の先の先へ、二人でお幸せにね!!
ということで、意外なほど恋愛体質で、完璧に演技しようと思えばできるのに、嘘をついて生きていくことを極端に嫌うまっすぐなトキヤがつかみ取った恋と愛のデビュー!
それは春歌ちゃんにとってもデビューであり、まさに「二人」のデビューでマジ最高でした......!!!
寿さんとのところにも書いたけど、アイドル「一ノ瀬トキヤ」って、「正直」というか「まっすぐ」が輝きの秘密なんだろうなって。
リピで春歌ちゃんと付き合うところもそうだけど、嘘をついて歌ったらなんの意味もない。嘘をついて生きたらなんの価値もない。
だから、トキヤの「スキャンダル」って、あの潔癖そうなキャラクターだと致命傷になりそうだけど、案外そうでもないのかな、レンのキャラとは別の意味でトキヤは大丈夫なんだろうな....なんて思ったりもしました。
明らかに「作曲家となんかあった」My Little Little Girlでデビューして文句言わせないほど売ってるのだから、それはもう「一ノ瀬トキヤ」の勝ち。
「次の新曲、私は彼女の曲以外では歌いません。何故なら、ファンが望んでいるのは彼女の曲を歌う私だからです。」
ひっくり返った。
男性アイドルが付き合ってる女と作った曲なんて、はっきり言えば「一番ファンが望んでいない」類のソレに近いと通常考えられている(賛否は置いておくとして、男性アイドル業界が異性愛に基づいた文化に支えられていることは間違いない)のに、堂々と「ファンが望んでいる」と言い放つ「パーフェクトアイドル」こと「一ノ瀬トキヤ」さん。
すごい。マジで、ここまで言い切ったらもうそれは「一ノ瀬トキヤ」の大勝利。
だって、それだけ自分の歌に対して、努力をして魅力あるものに仕上がっている自信があるから、言える。しかも、最後の最後で「愛」が自分の歌を格上げしている自覚があるからこそ、絶対にそれを手放さないと語る。
HAYATOのように嘘を演じることを、リスクを取ってでも辞め、「正直に」歌うことを胸に誓い、歌ってきた人だからこそできた、「恋も夢も」の物語。
そういうトキヤの恋に対する圧倒的な信念の強さも味わえて、ますます好きになりました。
突き抜けるほど過剰な思いは、絶対にその人の魅力だから。
以上、Debutトキヤ√感想でした~!