うたプリAll Star美風藍√感想です!
いや~~~~~......すごかった......。軽く丸々1週間は引きずった...なんなら今も引きずっているくらいシリアスだけど愛にあふれたシナリオでした。
2024年にプレイしている(美風先輩がその後もアイドル活動を順調にしている未来にいる)私ですら、こんなに引きずるのに、リリースされてすぐにプレイした人は一体どんな気持ちになったんだ...と思いを馳せております。
ということで、例によってなんでも読むよ!な人向けな感想です。
もちろんネタバレありです。
思い立って、私の行動範囲の中で比較的行きやすい水族館と観覧車のある場所に行きましたが、もちろんゲーム内で「その場所」と言われているわけではないです。ただ参考までに、その水族館に行って考えたことなども書いております。
【簡単な目次】
・それでも「感情」が欲しいということ
・タイムリミットと「心」
・「ロボット」「感情」「アイドル」
・機械の身体とそのメモリー
・藍春すっごい可愛いぞ!
・トラビの絆
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・それでも「感情」が欲しいということ
AS美風藍√を深夜に終えてから、目覚めた朝。
これはもう、水族館に行くしかない、と思った。
もう居ても立っても居られない。頭の中が、美風藍でいっぱい。
今日は全然仕事も手につかない。座っていても立っていても、昨日のゲームを思い出して泣いてしまう。もう限界状態だった。
と、いうことで行った。
そして、この展示の文字を見て、立ち尽くし、号泣した。
(土曜の昼間の水族館に一人で泣いている女、シンプルに怖い。薄闇のおかげで目立たなかったが、気が付いても気が付かないフリをしてくださっていた家族連れおよびカップルの皆様、ありがとうございます。)
愛音。如月愛音のことを思い出して、ボロボロとマスクを濡らした。
展示には、こう書かれている。
「水深200メートルを超える部分『深海』は海の体積のおよそ95%を占めます。実は、海のほとんどは深海なのです。」
「深海は水温変化の少ないくらしやすい環境なのかもしれません。」
愛音........。
如月愛音の存在の仕方、めちゃくちゃびっくりしたんですよ。
藍ちゃんにモデルがいて、それが嶺二さんの親友であったこと、失踪したことはDebutのクラ組√とトキヤ√を注意深く読めば簡単にわかることなので、私としては美風藍√はもう「隠された秘密」はなくて、いかに藍さんが春歌ちゃんと恋愛するかを見ればいいと思っていたんです。
でも、それは2月に翔くんと四ノ宮さんに春歌ちゃんが相談した所で、それはさすがに甥を失ったばかりの博士がするにしては安易だと一蹴される。
藍√の一番の衝撃、隠された秘密は、如月愛音が藍ちゃんと繋がれていて、藍さんの開発目的はソングロボでアイドルになること、だけではなく、博士個人の愛音を目覚めさせるための感情受容体になること、だったということ。
これがね........本当にキツかった.............。
というか、1月末に海を見て歌ったときに、如月愛音が出て来たのが本当に衝撃的で、キツかったというか、放心して、うたプリしんどいゲーム展開をいくつか乗り越えてきた私も、2月に進むのが怖くなるほど、「これ以上真相を知りたくない」と思ったし、2月にお出しされた真相も、かなりキツかった。
2月で分かるのは、愛音は藍ちゃんと繋がれていて、深い地下室にいる。メモリアルで、藍さんは愛音と何度か会うけど、その描写は深い海で、愛音は深海にいる。
そうして泳ぎついた
真っ暗な海の底に、彼はいた
水族館に話を戻せば、深海は温度変化が少ない。
だからこそ、愛音にとっては、最適な環境なのだろう。当初の感情の情報を理解しない藍さんからの情報は、その深海の平穏を揺るがすものではなかった。
しかし、藍ちゃんが恋をして、感情を理解すればするほどに、その深海の平穏は崩れ、そして顔を出したのが1月末、春歌ちゃんの作った歌を歌ったときだったということ。
キツい。
まるで藍ちゃんは道具だ。
わたしの知る美風先輩がまるで道具のように言われた気がして
わたしは反論した。
そして、愛音にとっても、感情を流し込まれるというのは、どういう経験だろう。深海の生き物は、深海に適応し、深海で快適に暮らしていた。
「深海」として、暗くされた水槽を眺めながら、愛音のことを考えたとき、こうやって暗い海で生きることだって、一つの生き方じゃないか、この深海の生き物たちに、どうして浅瀬で泳いでほしいと願うことができようか、と思った。
愛音「誰も傷つけたくない、傷つきたくもない。ここに居続けることは、心の平穏を望んだ自分自身が選択したことだ。
どうしてそれを誰もわかってくれない?」
それでも、博士を責めてもどうしようもないこともわかる。だから、キツい。
そういうキツい状況の中で、美風藍さんは、本当にinnocentだった。
希望だった。
光だった。
メモリアル「ボクの欲しいもの」で、藍ちゃんは愛音と会話する。
「でも、今のボクにとっては、悲しみや恐れすらも大切なものなんだ」
「大事な『感情』なんだ。それこそが、ボクが欲しくてたまらなかったものだから、君もきっと、大事にした方がいい」
もうずっと泣いてるけど、このメモリアルも初めて読んだとき、声を出して泣いた。
悲しい結末かもしれない、「でも」欲しい、のだと。藍ちゃんが、まっすぐに「感情」が欲しいと言う、その姿に胸を打たれた。
水族館の展示を見た時に、深海で暮らす愛音のことに加えてもう一つ頭をよぎったのは、「感情の95%は深海のように暗く冷たい感情かもしれない」ということだった。
海の95%が深海であるように、感情もまた、きらめくサンゴ礁のような部分は本当はごく僅かで、痛くて苦しくて辛いものばかりな気がする。
愛音が、すべてをシャットアウトしてしまいたいと願うのもわかるほどに。
「愛」もまた、そうだと思う。
なんていうか、実を言えば、私はここ数年、「愛」好きか?「愛」そんなにいいものなのか?ということを自問自答してきた。
「好き」とも言い換えられるかも。「推し活」って言葉が作られたりして、何かを「好き」なことは素晴らしいと言われるけれど、「好き」や「愛」は、本当にそんなにいいものなのか?と。
このブログのタイトルに「LOVE」が入っているのは、私が「LOVE」を信仰していた頃にこのブログを開設したからで(8年前)、でも、「愛」というものを考えれば考えるほどに、そのすばらしさを疑うようになった。
理由はいろいろあるけれど、「愛」という強い感情が、あまりにも手に負えないことが多くて、それを「愛」と呼んで美化することで、そこから生じる狂気や暴力や支配を全部肯定してしまいそうになったのが理由の一つ。
私は「推し疲れ」とは無縁なタイプなのだけど、だからこそ自分の中から無限に湧いてくるものを「愛」として無邪気に肯定していいのかな....と。
「愛してる」って言えば、私がその対象とする人に抱く、この感情全部、許されるの?本当に?とか、逆に「愛してる」からこそ、言ってはいけないの?必要なことなのに?というようなことの積み重ねで、私はブログに「LOVE」を冠したまま、「愛」とは距離を取ることに決めた。
別に、「愛」がなくても、というかそれを「愛」と呼ばなくても、私が強い思いを抱いた相手と過ごした時間や情念は消えないし、そうやって「愛」と距離をとることで結べる関係もあると思って実践をした。それはそれで、いい経験になったと思うし、そうやって感情を一つ一つ整理したことが今の自分に繋がっていると思う。
それでも、うたプリに出会って(1年半前)、やっぱり「愛」っていいな......もう一度「愛」と向き合ってみようかな、と思ったくらい「恋愛ゲーム」としてのうたプリが大好きで、それにうたプリには「愛」に伴う痛みや悲しみを抱擁してくれる懐の深さがある気がして、もう一度「愛」やりますか、とか、そんなことを漠然と考えていた。
うたプリは私にとって「愛、再び」っていうテーマの新しい沼だった。(以上、聞かれていない私の話終了)
そして、AS藍√。
美風藍くんは、そういう......時に暗い側面を持つ「感情」や「愛」を、欲しい!、と真っ直ぐに答える。
勝手に「感情」を持たないロボットだから、「感情」がうらやましい人なのだと思っていた。(シャニライでも、やたらと心に関連する役柄を担っていた気がするので。)
え~でも、感情ってそんなにいいものでもないよ?と私は思っていたし、人間=感情だなんて安直だとすら思っていたのだけど、藍ちゃんはそれを承知で「欲しい」と言う。
そして、春歌ちゃんとの恋の末に手に入れる。
「きっと好きっていうのは喜びの感情だけじゃなくて、悲しいとか苦しいとかも含めて一つの『好き』を形作っているんじゃないかって」(1月)
「好きという気持ち、
人を愛するという気持ちがボクにもやっとわかったんだ」
「一緒にいて嬉しいだけじゃなくて、時々辛くて、痛くて、切なくて、でも......想うだけで、胸が温かくなってあらゆる力になって、そんな自分がちょっと誇らしくなる」
「やっとわかったこの気持ちは、ボクの宝物だ」(3月)
95%が深海でも、「感情」が欲しい。
博士が狙ったのは、愛音に「いい感情」を学ばせることだったし、だからこそ藍ちゃんにも「いい感情」だけを学ばせようとしていた。
博士「できるだけ藍には、喜びとか幸せとかプラスの感情を学ばせてやる」
でも、そんなことはできない。
「感情」を知るってことは、痛みや苦しみを知るってことだ。
そして、その感情は「自分だけのもの」だからこそ、苦しい。
(愛音は、その繊細さ故の孤独と痛みを、誰かに相談できなかったのだろう。ふわっと消えてしまうくらいには。)
だからこそ尊く、だからこそ切ない。
ケーブルでつないで「共感」させることはできない。
藍には藍の、愛音には愛音の、感情がある。
自分にしか理解できない「感情」を知ることが「孤独」であったとしても、それこそが「美風藍」になること。「自由」になること。
「ボクはもう自由だよ。
これからは何を感じても、何を思ってもいい」
「やっとボクはボクとして生きられるようになったんだ」
「完全に人間にはなれないけどね。
それでもいい。ボクはボク。美風藍だから」
(友情エンドでは、寿さん相手に「ボクは美風藍であって他の誰でもない。重ね合わせないで欲しい」と訴える、如月愛音の本格登場前でありながら、すごくいいエンドだった。「ボクはボクだ!ボクは......美風藍だ!」が本当に良かった。
「感情」を持つことと、「自分」であること、「自由」であることの結びつきが藍√の主題の一つだと思うけど、それが友情エンドでは示唆されていて、こちらでもボロボロ泣いてしまった。)
全てをシャットアウトしてしまった人間である愛音がいることで、藍くんの欲しい「感情」が、耐えがたいほどの苦痛である可能性をも示唆しながら、それでも「欲しい」と言う、藍くんの強さと、そしてそれを得ることで春歌ちゃんの曲をより完璧に歌いたいという「愛」の強さ、自らを犠牲にすることが春歌ちゃんを傷つけるとわかっても、そうせずにはいられない「愛」の傲慢さと痛み、全部を引き受けることが、キツい展開の2月以降でしっかり描かれていて、私はもうここで号泣しながらも美風藍さんのことが大好きになりました......。
「愛」という感情を引き受けることの、「自由」という希望と「孤独」という絶望が、美風藍と如月愛音を結ぶケーブルの中に凝縮されていて、その鎖を引きちぎることで、「自由」になり、「感情」を手に入れるけれど、同時に「孤独」や「痛み」も引き受ける必要がある。
そういう「愛」と、そして愛するための強さを美風藍さんが体現していて.....泣
恋愛ゲームの攻略対象者として「アイ」は、さすがに荷が重いのでは.....?と思っていたけど、感情や愛の痛みや苦しみを全部ひっくるめて引き受けることを選ぶ藍さんの姿に、ここまでまっすぐに「愛」を体現する姿に、そしてそれでもなお「愛」を肯定する姿勢に、「アイ」にふさわしいシナリオすぎる......!!と震えていました。
ちなみに、観覧車の中で春歌ちゃんと見る「雪」のエピソードもまた、藍さん自身が、「感情」というか、物事の両面性を愛することを示していて好きです。
「降り積もった大地からは強さを感じるし、その反面、触れただけで消えてしまうような儚さ、寂しさもあるんだ。
君が作った曲からも、そんな多面性を感じたし、きっと『愛』って呼ばれるものもそうなんだろうね。」
儚く消えゆくところと、降り積もれば大きな力を発揮し時に脅威ともなる「雪」を、うまれて初めて「キレイだ」と思ったその感性があったから、藍さんは「愛」の人なんだろうなぁ...と。
・タイムリミットと「心」
もう一つ、藍√で感激したのは、「自由な心/感情」を手に入れるために藍ちゃんが「時間」という代償を払ったこと。
愛音と引き離されるまで、多分、藍ちゃんには明確な「タイムリミット」は存在しなかった。それを裏付けるように、博士はこういって藍と愛音の接続を継続させて欲しいと願う。
博士「人の命は有限。もう一度、一からやり直すとしたら、どんどん時間がなくなっていく。」
博士の発言から推測できるのは、愛音は目を覚まさない間もどんどん年をとって死に近づく、一方で藍はやり直しがきくけれど時間がかかれば愛音に間に合わない、という明確な「時間」のちがい。
でも、藍さんは、自ら愛音との接続を引きちぎる。引きちぎったショックで、本来ならばないはずだった「タイムリミット」が藍さんにはやってくる。
これが、本当に........しびれた..........。
シナリオ本体から逸れてしまうのだけど、ミヒャエル・エンデの『モモ』の一節にはこうある。
「光を見るために目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じ取らないようなときには、その時間はないもおなじだ。」
「心」を手に入れて、「時間」を手に入れる藍さんの姿を見て、この一節を思い出した。
まさに、「心」のために「永遠」を手放す、というASのシナリオ。
心が時間を感じ取る、というのは、まさに誰かと一緒に過ごして「幸せ」を感じたり、切なさを感じたりして、たくさんの思い出を胸に刻むことだろう。
そんな藍ちゃんと春歌ちゃんの限られた時間の思い出が、3月にはどんどん増えていく描写があって本当に尊い.....。
なんにせよ、この「時間」と「心」の関係はなるほど!と思った。
すっごい苦しかったけどね......1か月って........。
・「ロボット」「アイドル」「感情」
話を愛音に戻すと、如月愛音の存在は、すごく苦しいけれど、アイドル論およびロボット論としてもすごく示唆的だなぁ...と思っていて。
美風藍√があまりに衝撃的すぎて、水族館と観覧車に乗った数日後に、今度は図書館に行ってロボットについて調べてたんですが、ロボットって造語なんだね。
ロボットは、チェコ語で「強制労働」を意味する「robota」から来ている。
これ知ったときも苦しくてボロボロ泣いたんですけど、だって、そんなの、藍ちゃんが道具みたいじゃん......。でも、「ロボ」ってそもそもそういう語源なんだな、と。
ロボットが、人間の労働を代替し、強制労働させられる存在なのだとしたら、美風藍がしている労働は、「アイドル」だ。
「ソングロボ」だから、歌うために生まれてきた、「歌う」という労働のためのロボではあるけれど、割とそこでの「歌う」はアイドルを念頭に置いているように思われる描写や展開があるのでアイドル労働を行っているという風に見ていいのかな、と。
そして、博士も(シャイニングも)「よいアイドル」には「感情」が不可欠であると語る。
「シャイニーさんはアイドルを人工的に作れないか考えていたんだろうね。でもアイドルには心がなきゃいけない。そこで俺に声がかかった」
これ、うたプリの主題がず~~~~っと「歌は心」だから、そりゃあうたプリでアイドルやるなら「感情」が必要だよなぁ...と思いながらプレイしていたのだけど、プレイ後に「ロボット」のことを調べていて「労働」のキーワードが出た時に個人的に腑に落ちたのは、アイドルの労働がかなり「感情」をキーワードとしていることとうたプリの「歌は心」って結構相性がいいんだ!という納得感。
アイドルの労働は、多面的な性格を持つものだけども、その中心的な部分を「感情労働」だと性格づけするならば、美風藍は感情労働を引き受けるロボット。
「感情労働」とは「公的に観察可能な表情と身体的表現を作るために行う感情の管理」であり、「時に自分の心を販売すること」あたりらしい。
アイドルなんて、誰かの期待、誰かの欲望に答えるという受け身と、むしろ逆に自分自身を表現すること、内面をさらけ出すことの矛盾に引き裂かれながら、そのリアルなドラマを演じて売りにする意味では、とんでもない感情労働だろう。
そう考えると、愛音が耐えられなかった(博士が言うように、妬み嫉みだけでなく、仕事の予算や制約にも心に負担をかけていたらしいので、まさにアイドル稼業そのものが非常にしんどかったのだろう)ものである感情労働を藍が引き受ける。
「良いアイドルになるには感情が必要」だからこそ、アイドルは感情労働で、それを引き受けるためには感情を理解するロボットである必要がある。
しかし、感情を理解すればするほどに、愛音のように潰れる可能性が上がる、という皮肉。
それを藍くんは理解したうえで、「心をこめて」春歌ちゃんの歌を歌いたい。
あらためて、うたプリがアイドルを描くにあたって「感情」をキーワードにしたことのセンスに痺れると同時に、アイドルのファンとしては、ぐぅ.....と考え込んでしまう展開で、失踪した元アイドルと感情労働を代替するロボットなんて......本当に......わたしはどうしたらいいんだ.......。
と、まぁ、暗くなってしまうのだけど、藍くんは本当に光のような人で。
博士のことを怒るんだよね、愛音のことを信じて待てばいいという趣旨で。
「藍に教えられたんだ。愛音は無理やり起こさなくても自力で目覚める力を持ってるはずだってね。」
ここもすっごい好き。
なんていうか、藍さんが「15歳」だからかもしれないけど、本当にASの藍さんは真っすぐで、「感情」を手に入れることに真面目に熱い。
それは、そういう数値目標が設定されているからではなく、他の誰でもない「美風藍」自身が、選び、行動し、つかみ取ったまっすぐさ。(そしてそれが、「春歌ちゃんの歌を歌いたい!」という思いであるところにラブロマンスが詰まっているのだけど)
それで、「愛音を信じて」っていう、その不確定なコメントを博士に告げることそのものが「美風藍」が「美風藍」であることの証明のようで、本当に感動したし、うわ~~~~~藍さんのそういうまっすぐな強さ、人を信じる優しさ、好きだ~~~ってなりました。
寿さんの心配するように、確かに危なっかしいけど、でも藍さんは、「心」を手に入れて、「歌って」、アイドルとして「感情労働」をやりとげる強さを持っている人。
そういう業の深さと、美風藍のピュアな強さが、藍と愛音をめぐる「感情」と「ロボット」と「アイドル」に詰まっていた。
・機械の身体とそのメモリー
藍さんがロボであることは、アニメで知っていたので、なんとな~くロボであることは記憶の永遠と結びつくのかな...と思っていたんですが、逆でしたね.....!!
これも衝撃的だった。
「心」を手に入れるためにタイムリミットという代償を払うことの納得感は既に書いたけど、さらにここに記憶の話が入ってくるのが、、、、、なんとも、、、、!!
機械の記憶の永遠さではなく、むしろ儚さ。
セキュリティが働いて、すべてのメモリが消去されてしまう。博士がどうにか残せないか奮闘するものの、打開策を見つけることはできない。
言われてみれば、その通りで、機械に残るデータって、適切に保存をしなければ、簡単に消えてしまう。データが保存されている機器そのものもそうだし、そうでなくても「消去」で簡単に消えてしまう。
思い出や感情を、消したくても簡単に消せない人間の心とは違う。もちろん、人間もふわっと消えてしまうことはあるけれど。
ロボであることを誇っている藍さんが、そのことに直面したときに、すごく素直に「ボクの存在は君の中にある」と理解したことに私はまた心を貫かれた。
「でも君の中に......少しでも記憶として残ることができるならそれでいい。ボクが居た証は、君に残すよ」
後輩エンドでは、「ボクの歌があるところにボクはいる」と言い残す。なんていうか.......「人と人のあいだ」と書いて「人間」ならば、藍さんがそうやって誰かの心の中で生き続け、春歌ちゃんとの関係、後輩のクラ組との関係で生き続けるのならば、それがすなわち「人間」なんじゃないかと思うような展開。
もう、美風藍√の感想は、同じようなことばかり言っているんだけど、「ロボと恋愛するならこうだろう!」っていう想像の全部一枚も何枚も上を行く、予想を裏切る展開に私はすごく揺さぶられた。
ロボだから感情が欲しい、ロボだから永遠に記憶できる、という感じで来るのかな~~と思っていたら、そうではなくて、「感情」の痛みさえも引き受ける話だったし、「ロボ」だからこそ儚い、という話だった。
それがもう本当に本当に、わぁあああああああ美風藍さんってそういう人かぁ~~~そっか~~~~~という衝撃と一緒にやってきて、ずっと抜け出せないです....。
・藍春すっごく可愛いぞ!!!
ここまで美風藍という人の人柄と生き様のかっこよさと儚さに魅せられている話、シナリオが衝撃的過ぎる話をしてきましたけど、やっぱり藍春ですよ......!
そもそも、カルナイの人たち、みんなめっちゃ怖い人だと思っていて。なのにASだと、彼女に「かわいい」「かわいい」言っていて最高ですね。
彼女かわいいですよね!!!
さらに美風藍さんといえば、ポワゾンKissの「跪きなよ」とか、Q★Nの「シてもいいよ嫌いじゃないしね」でお馴染みの上から目線な小悪魔な感じで来るのかと思ってたんですよ!!!!!
(それはそれとしてQ★Nの歌詞を「かっこいいのがいい」って言う藍ちゃん、可愛いすぎる!!!!!!!!!!!!!もう!!!!!!!!!そんなん!!!!!!!お兄さんたちだって面倒みたくなるでしょ!!!!!!!!!!!!ぎゃあああ!!!!!)
(黒崎さんの言うことを素直に聞いてライブ前に「魂」って言葉使って気合い入れるのも可愛いよおおお~~)
(っていうか、あの時期の攻めた歌詞、美風藍さん的に「かっこいい」んですか!!??めっちゃ15歳じゃん!!!!!???は???可愛い!!??)
ふつーにめっちゃピュア!優しい!!春歌ちゃんにでれでれ!!!!
友情エンドの「可愛いパートナー」メモリアル!良すぎ!!!
春歌ちゃんが一人でも事務所に残留しているくらいの実力者世界線だからかわからないですけど、割と春歌ちゃんにも優しいな!!???Debutのときにめちゃくちゃ指導されていたぞ!?翔春の春歌ちゃんと那春の春歌ちゃんは!!!!!!!
好きな子だからって!!!
先輩√で唯一の10代同士の恋愛だけあって、甘酸っぱい、そして可愛い。
まず序盤。看病プロジェクト。
事故でキスしてしまうのは一回置いておくとして、その後、寿さんと出会ったときの藍ちゃんのリアクション可愛すぎる!
「何でもない。キスはしたけどデートじゃないし。
ただ、体調が悪いっていうからウドンつくって看病しただけ。
分かった?」
はい可愛い~~~~~~!!!
寿さんも、こんなん見せられたらもうそりゃあ、美風藍くんの初恋の予感に盛り上がってしまうよね!
ああああああああ可愛いいいいいいいいい(頭を抱えてジタバタ)
中盤では、何よりまずは観覧車で春歌ちゃんのことを身を挺して守ろうとしたり、「クリスマスは大切な人と一緒にいるもの」を文字通り解釈してずっと歩き続けたり。
(ロボバレがしみじみ二人の間で行われるのもすごく好きでした!勝手にDebut翔√みたいに藍さんが春歌ちゃんのこと好きすぎて機能停止!エ!なんで!とドタバタ系で行くのかなぁと思っていたら、二人っきりの場面でしみじみと話してくれるという心の開き方がとても好きでした。)
(実際、博士の説明でわかるようにDebutよりも機能が向上しているようで、そういうところもなるほど...!となるから、じっくりDebutやってからASに手を出してよかった!)
春歌ちゃんが、序盤で、人を好きになるってどんな気持ち?に対して「大切に思うこと」と解答するのが一番恋愛値が高い選択肢なのだけど、それをまっすぐに実践して、人間だからこそ弱い春歌ちゃんを守ろうとする藍さん......。
これがどのくらい一般的な経験なのかわからないけれど、私は「人間」だって「人を好きになる」という「感情」を理解できるようになるのが、なかなか難しいと思っています。
初めて誰かを「好き」になったときに、それが「好き」だ!「愛」だ!「恋」だ!ってピンとくるのって、人によってはすごく難しい。世の中にそういうものが存在することは知っていても、今自分が感じているものと、それが同じなのか自信が持てないなかで、その人との時間を積み重ねて、あぁこれが「好き」なのか、ってやっとわかる初恋の過程って誰しもが経験するものなんじゃないかと思っていて。
藍√は、ロボで感情を理解したいから、ということにはなっているけど、そういう普遍的な「初恋」の悪戦苦闘が、藍さんが春歌ちゃんを大切にしようとする過程で描かれていて、ほんと~に好き....。
そして、ようやく「好き」の確定を報告する水族館デートは、あの、本当に、もう。とっても可愛いです。
2月にいろいろあるけど、3月は歌謡祭まで、タイムリミットまで、一秒一秒を大切にするように生きている場面の描写も可愛いです。どんなふうに映画を見に行ったりしたんだろ....?二次創作100万本作れるな。
藍さんの「この世界を知りたい!」という外への好奇心で、どんどん美風藍さんの世界を広げていくときに、「君を愛したい!」という身近な人への探求心とも一緒になっていて、いつでも「二人」で出かけていくのが、幸せで、可愛い。
だけど、タイムリミットがあって、いつも切ない。
何より最大瞬間可愛い風速は、観覧車リターンズにてキスの仕方がわからない藍さん!!!!!!!!!!!
「コレさ、鼻が......、ぶつかるんだけど、どうしたらいい?」
もう最初プレイしたとき、この時期はすっごいシリアスでしんどくて、泣いてたけど、尊さが重なって号泣オブ号泣。感情めちゃくちゃ。どうしてこんなに可愛い藍春にタイムリミットがあるんだよ泣
「コレ、気持ちイイ......かも」
美風藍さん~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
ああああああ!!!!
(言葉にしてください)
細々した可愛いポイントは山のようにあるけれど、ずっと一緒にいられなくても、君の歌を歌いたいというのが、すっごくうたプリらしい「愛」だと思った。
ただの「恋」じゃなくて、アイドルと作曲家のラブストーリーだから、歌えないと意味がない。
「歌う」には、「感情」が必要で、君がくれたラブソングを歌うためなら、壊れてしまっても構わない、というのが....なんともうたプリらしい「歌」への執着とそれゆえの「愛」で、たまらなかったです。
だから、春歌ちゃんのためだけにレコーディングして「歌」を残す。
Winter Blossomが、あまりに遺書めいていて辛いのだけど、それはあの、春歌ちゃんのためだけにレコーディングルームで歌う、あの場面に一つの山場があるからなんだよね。
(あそこで「美風藍です」と改めて自己紹介するのも、なんだか「自由な自分の感情」を手に入れて、春歌ちゃんの夢が自分の夢になって歌う感じがしてたまらなかった。)
こんなに歌が愛を伝える...。
苦しくても痛くても、歌は、希望で、愛なんだという強いうたプリらしさが光ってて本当にすき。
・トラビの絆
美風藍√の来栖翔さんと四ノ宮那月さん、良すぎる!!!!!
まず、そもそも如月愛音の存在が明らかになったことで、この3人、全員なんらかの「双子」的概念を持ってるというとんでもない因縁が明らかになったわけで、ぐぬぬ......業が深い....。
もちろん、実際に双子なのは翔くんだけだけど、顔が同じで違う人格、といいますか。
翔くんとなっちゃんは、寮の同室でそもそも因縁深い存在であることは知っていたけど、重ねてさらにここで美風藍さんと組ませるのか.....!とうたプリ、定期的に見せてくる業の深さよ...。
業の深さはさておき、博士の見込み通り、本当に翔くんとなっちゃんはいい人で、春歌ちゃんをずっと支えてくれる。
まだロボバレしていない段階では、「なにかあったら言えよな」と言ってくれる優しさ、ロボバレ以降は「話せる人がいるといいと思って」と言ってくれる心強い仲間。
2月には、一緒に博士のところに行ってくれる。
一人で抱え込もうとする春歌ちゃんに寄り添ってくれる心強い同期。
翔「おいおい、藍はお前のパートナーだけど、俺らのマスターコースの担当でもあるんだぜ」
なんて絆だ......!
最初に、藍さんに春歌ちゃんを推薦(?)してくれるし、本当に藍春には二人の同期が欠かせなくて、クラ組が心から藍さんを仲間として慕っているのが伝わってきて、マジでマスターコースは宝....の気持ちになりました。
(後輩エンドで、「彼女を頼んだ」となるのも苦しいけれど、それだけ藍ちゃんにとってショウやナツキが頼れる存在であることがすごいことだなと思いました。)
本当に、人との出会い、そうして得た感情は宝物だね。
ということで、以上AS藍√感想でした。
藍√を終えて、水族館に直行したとき、びっくりしたのは海の生き物って、思っていたよりもずっとさまざまな形をしていて、さまざまな命だったこと。
ちょうど、藍√を終えたばかりだったから、そんな多様な生き物たちを目の当たりにして、藍ちゃんもまた、一つの命の形なんだと思ったらボロボロ泣けました。
そして、愛音もまた、一つの生き方だから、どうか愛音にも安寧を。
メモリアルを見る限り、愛音もまた、砂浜にあがって藍さんとお話しているから、愛音らしい「命の形」、愛音らしい「生き方」をどうかして欲しい。
人間の命は、確かに限られた時間で短いけれど、それでも、すべてを諦めてしまうには長すぎると思うから。
そして、水族館には、付属して田んぼの生き物や、人の暮らしとの関わりの中で生まれた環境に適応した生き物のことも展示してあって、人工と自然の境目は案外曖昧なのだな、とも思った。
藍と愛音、どちらが自然で人工で。どちらが水族館で暮らし、どちらが大海へと漕ぎ出す人魚で。どちらが海で、水槽で。誰が「人魚の王子」なのか。
その境目は、とても曖昧で、答えの出せないもの。
答えを出さないまま、私たちは生きていて、その間には「愛」だって芽生える。
そして、その「愛」は、メモリーじゃなく、愛する人の心の中に、歌となり、花となり、ずっと残り続ける。
おとぎ話のようで、リアルで、あたたかいのに、切ない恋物語。
そこをまっすぐにピュアに強く生き抜く美風藍さんが大好きになるAS藍√でした!