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9月30日ZERO10周年写真展シンポジウム 

こんにちは、ゆうです。

昨日はNEWSZERO写真展のシンポジウムに行ってきました。

(内容をざっと文字起こしします。ニュアンスです。ですます調でないところは曖昧です。ですます調のところもニュアンスです。)

 

偶然3限が早く終わり、4限は休講というラッキーに恵まれ、5分前には麹町日本テレビに到着。すでにたくさんの人がいて、椅子が追加されたのかやたらと縦長い会場にw

 

ほぼ15時ぴったりに、右松さん、村尾さん、チーフPの佐藤さん、カメラマンの大村さんが登壇。

右松さんから、本日はたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。というあいさつと椅子を10分前から増設したお話が。

Q.写真を撮った大村さん的におすすめの写真は?

大村:前回の写真展から2年半経っているからこの2年半の日本の歴史という感じでみてもらえるのでは。真ん中のテーブルにはオフショットみたいにならんでる写真もあるのでぜひ。

Q.前回からの二年半の中で日本はどう変わりましたか?一番大きなニュースは?

村尾:まずはお集まりいただきありがとうございます。今日はシンポジウムということでみなさんと一緒に考えたいと思い、(登壇者の前の)テーブルをなくしました。だから登壇者の名前が書いてある紙がなくなってしまってわかりにくいかと思うんですがよろしくお願いします。

この二年半での大きなニュースといえば、戦後70周年。これは平和が70年続いたということで非常に喜ばしいことである一方、私を含め戦争を知らない世代が増えているということ。これからも平和を維持すべく、戦争の悲惨さを若い世代にしっかり伝えなくてはならない。そうした使命感を胸に戦争報道をしている。

右:節目を節目で終わらせないということですね。ZEROは若い世代に見てほしい番組なので。

村尾:(ZEROが若者向けのニュースということについて)そうなんです!私は昔役人をしていましたがこのまま役人を続けても世の中をよくできないと考え、三重県知事選にどこの推薦も受けず無所属で出馬しました。落選したのですが、その時に感じたのが「若い人が投票所にこない!」これからの日本を担うのは若者なのに若者に届かないという問題意識があった。そこで、若者向けのZEROのお話しが来たのでこっちでがんばるかとお受けした。

Q.ZEROの特徴は若い力に目を向け、日本の未来を見据えた制作をしていることですがその点は制作としては?

佐藤:僕は記者上がり。記者時代から現場で同世代に伝えたいニュースと感じるのに、実際とどいているのは自分より上の世代っていう現実があった。そんな思いがあったから、若者を意識したZEROに参加。放送当初は、黄緑色は目が痛い!とかなんだあのZERO~♪って音楽は!とか苦情もあったし、視聴率も2パーセントとかだった。けど今は同時間トップになれた。

若者にニュースを届けるためにとにかく難しい言葉をわかりやすく、をこころがけている。またストーリーで伝えることを意識。たくさん取材して、物事を背景づきで伝えるとわかりやすくなる。そして、どんなニュースにでる人も尊い命なのでその人が亡くなるまでの経過を丁寧にひとりひとり尊重して届けるようにしている。難しい言葉は解きほぐして、わかりやすく、わかりやすく。

村尾:その解きほぐす作業の上で重要なのが、4時会議。これは僕の主戦場って言っても過言じゃない。この4時会議で何をどう伝えるか、そのニュースに村尾がどんなコメントをつけるかをみんなで話し合うんです。時には2~3時間白熱することもある。

例えばみなさん、「地方交付税交付金」ってわかりますか?

会場:ちらほらと手が上がる

村尾:急に授業みたいにしてすみません。地方交付税交付金は(略、調べてください)

この言葉が難しいってなったら使わない。若しくはじっくり説明する。よく櫻井翔くんなんかが立ってるおおきな壁があるでしょ?あれも伝えやすくするためです。

大村:ほんと4時会議は遠慮なし。出演者とスタッフが素の状態で議論している。村尾さんはメインキャスターだけど自分の意見を押し通すようなことはしない。

右松:突然村尾さんが「若い人これどう思う?」ってADに振って、ADがよくわからないですみたいなこというと、村尾さんの授業が始まるっていうお得な時間でもあります。4時会議は。

村尾:今日はみなさん能動的に聞きに来てくださってる。けどテレビは違うでしょう?食器あらいながらとか子供叱りながらとかアイロンかけながらお酒飲みながら見てる。だから、わかりやすく伝えなくちゃならない。小池さんじゃないけども、ZEROは「視聴者ファースト」です。視聴者が何に関心があるのか、何がわからないのか、これが私のようなおじさんにはわからないので若いADさんに聞くんです。こんな風にスタッフみんなで作ってるのがNEWSZEROなんです。

右松:ADの何気ない質問が村尾さんがニュースのあと話すトークの中核を担ったり、ADの何気ないつぶやきが番組の軸になることもありますからね。

村尾:僕だったら安全保障会議北朝鮮への制裁決議のニュースが大事に思えるけど、視聴者の皆さんにとっては私が使ってるまつエク安全かなぁ...?のほうが重要じゃないですか。

会場:笑い

村尾:あ、私はまつエク使ってないですよ笑 昔はザ・ニュースっていう政治の話題とかが大事だ!って思ってたけど、今はもっと視聴者目線になれている。

右松:その日一番大きなニュースが必ずしもNEWSZEROのトップニュースとは限らないってことですね。

佐藤:基本的にニュースは、番組デスクが組み立てて4時会議にもっていって、みんなで組み換えをする。視聴者の一番関心の高いものをトップにもっていきたい。今はスマホ時代で、どんどんニュースが更新されてそれを視聴者は見てる。朝刊や夕刊の一面と夜のニュースのトップニュースが同じってことはない。スマホを通してみんながある程度ニュースを知ってるのを前提に、なおテレビで見たいものは何かを考えてトップニュースや扱うニュースを決めている。もちろん「なんでこれがトップニュースじゃないんだ!」って記者から圧力はある。それでも戦って戦って、視聴者ファーストの精神で作っている。

Q.今回の写真展について。現場のスタッフの画が多いのはなぜ?

大村:ギリギリの戦いをしながら働いている姿は美しいですよね。

右松さんがぎっくり腰の時があった。ぎっくり腰なのに、雪の降る中滑りそうな鉄パイプの階段を上がっていく。急斜面で、滑ったら死ぬんじゃないかみたいなところを。僕は右松さんの後ろを上ってたんだけど、右松さん転んだら僕も一緒に転んで死ぬなぁとか思って。

会場:笑い

大村:そうやって上って行って撮ったのが、OAでは30秒くらいになってる。生死をかけたのに!そういう放送ではこぼれてしまう所を写真にしたいと思った。

右松:これは2015年の3.11の話ですね。3日前にぎっくり腰になってしまって。コルセットをはめて取材してました。現場では使命感を持ってやっているので痛みを忘れる。僕は当日取材に行ってすぐ東京に帰ってしまうけど、前日から入って準備しているスタッフや階段を整備してくれた人がいる、そう思うと痛んでる場合じゃない。東京に帰るバスに村尾さんたちと乗ったときに、痛みを思い出した。

Q.村尾さんは好きな写真とかありますか?

村尾:私はまだ全部見てないんですよ笑

映像と違って写真は瞬間なんで、その人の人間性が出るなと感じます。映像と違ってごまかしがきかない。大村さんは存在がなくなるときがあって、僕らを自然体にさせて写真を撮ってくださるんです。4時会議に紛れていても、気づかない時がある。

大村:今はデジタルの時代だからいくらでも枚数とれる。フィルムで年間36枚とかの時代じゃない。瞬きするような感覚で撮ってる。10万っていうと10周年で10万ってwみたいな空気になるからじゃあ9万?とかそんな感じで合計何枚とってるかわからないくらい撮ってる。だからこそ展示する写真を削る作業がしんどかった。

Q.制作的に写真展の見どころは?

佐藤:写真にもいろんなひと映ってる。ZEROの面白さっていうのは、役人あがりの村尾さんもだけど櫻井翔君とか美玲ちゃんとか又吉さん、板谷さん、っていう外部の人が入って刺激し合ってるところ。ニュースを日テレ報道部だけで作ってるわけじゃない。これはなかなかないこと。ZEROが日テレ報道部の空気を換えていったようなところがある。

Q.外部と協力して作るZERO。村尾さんは具体的に取材対象など提案するのか?

村尾:つい最近、先週の土曜から水曜の朝に帰ってきたんですが、シリア難民キャンプがあるヨルダンに行ってきました。難民問題が世界を揺るがす震源になると考えたからです。イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選に出馬しているトランプさんの言葉の背景にも難民問題があるんです。

(外部の人と協力するというと)櫻井翔くんや美玲ちゃん、又吉さんには本当に感謝しています。彼らは僕にとっては大きな浮き袋なんです。僕の言葉では聞かない人でも、櫻井くんの言葉なら聞こうという人がいる。これは僕にとって心強い。僕一人ではニュースの大海に漕ぎ出す勇気はありません。みんなで協力してやっと漕ぎ出して10年です。

 

・ここからは来場者からの質問タイム

Q.4時会議のお話し等ありましたがトップニュースの決め手は?

佐藤:難しい。そこを会議してる。視聴者が関心がなくても伝えなくてはならないこともある。2分では伝わらないなら、いっそ長くして4分説明するとかしている。

Q.どうして櫻井くんを起用したのか?

佐藤:僕は当時のPではないので詳しいことはわからないですが、当時のPはこれから来るかな!?と思ったんですかね。今接していて、頭の回転が非常に速い方で、また本当にたくさん勉強しているなぁ、と感じます。

ZEROの前番組は53年?続いた「今日のできごと」っていう番組だったので、それを変えて新番組にするっていうのは勇気あるなぁと思います。なかなか長く続いたものをやめるのは難しいですから。

Q.10年の中で村尾さんを除いては櫻井さんだけがずっと起用されてますよね?

佐藤:たぶん、櫻井くんおろしたら怒られますよねww

Q.10年間でのキャスターの入れ替わり、どう思いますか?

村尾:新しい外部の人と話すのが楽しいタイプ。楽しいです。

10年前はZEROは夜のニュースの転換期の走りだったが、今は10年続いて当たり前になった。どこまで続けていけるかの正念場が今なので、新しい人をうまくたてていきたい。

Q.放送後反省会があると聞きましたがどのようなものですか?

佐藤:放送終了後、ニュースにつけたコメントは適切だったか?楽しいニュースから悲しいニュースに切り替わるとき、きちんと空気を切り替えられたか?などを反省します。出演者とスタッフの反省会のあと、スタッフのみの反省会も行います。

Q.ZEROは画面からとてもあたたかい雰囲気を感じます。この雰囲気はどこから来るものでしょうか?

村尾:それぞれの出演者の人柄でしょうね。また、私はニュースを見るとついつい眉間にしわを寄せて難しい顔をしてしまいますが、10年やってきて優しい顔で穏やかな声で言ったほうがよりわかりやすくニュースを伝えられることに気付きました。いまでは穏やかな雰囲気を心掛けているところもあります。

Q.先日の参院選で初めて投票しました。ZEROは若者を意識したニュースということですが、私たち若者にできることは何ですか?

村尾:とてもいい質問です!まさにこれのためにZEROはあるんですよ!!

会場:笑い

村尾:社会を動かしているのは安倍さんではなく、私たちなんです。まず投票権。これはすごい権利なんです。私は落選しましたから。皆さんが投票しなければ、どんなお金持ちも当選できないんです。そして、みなさんがもっているお札、日本銀行券。これで買い物をすることは、いい商品を作る会社に投票しているのと同じことなんです。ニュースの使命は、視聴者の皆さんに投票権と日銀券の正しい使い方を伝えることなんです。

若い人には、とにかく海外に行ってほしいです。世界がもし100人だったら日本人は1.8人なんです。残りの90何人は外国の方です。だから海外に行って、世界の人たちの考えや文化を知ってください。いい悪いは別ですよ。いい悪いは別ですが、日本がいかに特殊な国であるかを知ってほしいです。そして世界の人と協力して戦争を二度としないでほしい。

右松:まさにこうしたメッセージを発信できる場がNEWSZEROですね。

Q.取材を行う際に大切にしている独自の事実の切り口はありますか?

村尾:事実を伝えるというのはとても大切なことです。けどいろんな事実がある。1~10まで事実がある中で、放送時間には1と3しか入れられないこともある。2と4かもしれないし。事実ってのはそういう多面性がある。

新聞には新聞法はありませんが、テレビには放送法があります。これはどういうことなのか?朝日新聞朝日新聞の考えを、産経新聞産経新聞の考えを伝えていますがテレビは不特定多数の人が見ます。テレビのニュースは特定の考えを伝えてはいけないんです。視聴者が考えるためのいろんな視点を提供するのが、テレビの使命なんです。だから公平な報道を心掛けています。

Q.阪神淡路大震災について風化が進んでいるように感じます。それについては?

村尾:風化させないように努力しています。災害の規模の大小に関わらず、被害にあわれた方の命一つ一つを大切に思っている。

Q.今、村尾さんが話してみたい人は?

村尾:そうきましたか笑 政治の面でいうと、プーチンさんや習近平さんにお会いして話してみたいです。あとは小池百合子さんがどんな考えを持ってやっているのか、聞いてみたいです。

 

・締め これからのZEROは?

佐藤:人のためになるニュースを届けたい。次の子供たちが生きる世界をよくしていくようなニュースを伝えたい。

右松:現場で取材していて思うのは、一つ一つの現場に癒えない悲しみが残り続けているんです。だからこそ一回の取材ではなく何年もかけて繰り返し繰り返し取材に行きたい。現場には伝えたい思いがあるはず。皆さんも悲しんでいる人にマイクを向ける私たちに疑問を感じることもあると思います。取材方法にも悩みながら、丁寧に取材していきたいです。また私事ですが、10月から会社の異動で警視庁記者クラブに配属になります。その現場から皆様にニュースをお伝えしたいです。

村尾:今晩の放送でZEROは丸10年になります。いつも私は、なにもうつっていないカメラのレンズを見つめて話しています。今日こうしてお集まりいただいて、あのカメラの奥にはこういう皆さんの目があるのだと実感できました。11年目からも皆さんの目を感じながらニュースを届けていきます。よろしくお願いします。

 

ざーーーっくりとこんな感じです。拍手で登壇者を送りシンポジウムは終了しました。

一時間の予定が、一時間十分にも延長してお話ししてくださいました。

本当にいい時間だったなぁ~。